この記事のまとめ
・「無償貸与」は、設備の代金をあとからガス代で回収する仕組みのこと
・設備がガス会社の持ち物のままだと、解約時に残りの代金を求められることがある
・2025年4月から、請求書に「設備料金」を分けて書くことが義務になった
「給湯器は無料で付けてもらった」「ガスコンロはガス会社のものらしい」。プロパンガスのご家庭では、よく聞く話です。
ところが、いざガス会社を変えようとすると、思わぬ費用を求められることがあります。その原因になりやすいのが、この「無償貸与」です。
「無償貸与」とは
給湯器やガスコンロ、配管などを、ガス会社が代金を取らずに設置することをいいます。ただし、本当にタダというわけではありません。
多くの場合、その代金は毎月のガス代に少しずつ上乗せされて回収されます。そして、設備は払い終わるまでガス会社の持ち物です。
ガス会社を変えるときに起きること
設備がガス会社の持ち物のまま解約すると、まだ回収できていない分の代金(残りの金額)を求められることがあります。設置してからの年数が短いほど、残りの金額は大きくなります。
2025年12月の最高裁判決:最高裁判所は2025年12月23日、戸建ての契約で「10年未満で解約したら設備(配管など)の費用を払う」とした条項を、消費者契約法により無効と判断しました(6件中5件でガス会社の敗訴が確定)。契約の内容によって扱いは変わりますが、解約の費用を求められても、すぐに払わずに相談しましょう(くわしく)。
大事なのは「金額を先に知る」こと。請求される額と、ガス会社を変えて下がるガス代を比べれば、変えたほうが得かどうかが判断できます。
2024年・2025年にルールが変わりました
国(経済産業省)は、こうした分かりにくい慣行を正すため、プロパンガスのルールを2段階で改めました。
| 施行日 | 変わったこと |
|---|---|
| 2024年7月2日 | 設備の貸し付けなどの形で過大な利益を提供する営業を禁止。ガス会社の切り替えを妨げるような条件を付けた契約も禁止 |
| 2025年4月2日 | 請求のときに「基本料金・従量料金・設備料金」の3つに分けて知らせることを義務化(今までの契約にも適用)。エアコンやWi-Fi機器など、ガスと関係のない設備の費用をガス代に含めることを禁止(新しい契約から) |
出典:経済産業省「液化石油ガス法施行規則」の改正(2024年4月公布)。北海道庁「LPガスの商慣行是正に向けた制度改正について」も参照。
つまり今は、検針票や請求書を見れば、設備の費用がいくら含まれているかが分かるようになっています。
お宅で確かめる3つのこと
- 検針票に「設備料金」の欄があるか:金額が書いてあれば、設備の代金を毎月払っているということです。
- 契約のときの書面:設備が誰の持ち物か、解約したときにいくらかかるかが書かれています。
- 分からなければ今のガス会社に聞く:「設備の名義は誰か」「今解約すると、いくらかかるか」。この2つだけで十分です。
賃貸にお住まいの方へ
賃貸住宅では、給湯器などのガス器具の費用もガス代に含めることが、新しい契約から禁止されました。ただし、集合住宅のガス会社は建物の持ち主が決めるため、入居している方が会社を変えることはできません。くわしくは賃貸の方ができることをご覧ください。
迷ったらご相談ください
「残りの金額を払っても、変えたほうが得か」は、今のガス代と使用量が分かれば見込みが立ちます。岡山県プロパンガス適正価格協会では、一戸建て(持ち家)の方のご相談を無料で受けています。
協会の解説ページ(岡山県プロパンガス適正価格協会 公式サイト)


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